さくっと!資格データ〜薬・医療技術分野について①〜

出典元:ライオン企画刊『医療・福祉系 資格試験結果 速報号』(2021年)より


6年制になって10回目の国家試験。

合格率はほぼ昨年並み

 2021年春実施の「第106回薬剤師国家試験」は、薬学教育に6年制が導入されて10回目の国家試験でした。合格率は、昨年とほぼ同じ、全体68・66%、6年制新卒85・55%となりました。近年はここ5年続けて、85%前後で安定して推移しています。

 受験者数は、前年度より280人減り1万4031人。合格者数は324人減の9634人でした。このうち6年制新卒は、7452人でした。

 また、合格率80%以上の大学は26大学あったものの、50%を下回る大学は8校ありました。大学によりかなり異なるので、大学選びの際には、国家試験の合格実績を参考にするとよいでしょう。新卒合格率100%の大学は、東北大学、金沢大学、医療創生大学の3校。合格者数では、東京薬科大学が383人ともっとも多く、京都薬科大学318人、明治薬科大学311人、星薬科大学、大阪薬科大学が279人でした。

 なお、全体のデータは、6年制の薬剤師養成課程だけでなく、4年制の薬学部卒業後に薬学系大学院を修了した人も含んでいます。6年制新卒について、合格者の男女比は、女性が6割以上となっています。


【仕事】

 製薬会社で薬がつくられ、医療機関や薬局を経由して消費者の手に届くまでのすべての過程で、薬学を基礎とした専門的な立場から関与しているのが薬剤師です。  病院に勤務する場合、医師らとともに入院患者のもとにおもむき、直接、服薬指導を行います。また、最近では、医薬分業化が進み、これまで病院内で調剤していた業務を病院外の薬局で行うことが増えてきました。このため、市販薬(OTC医薬品)のアドバイザーとしても期待されています。


【活躍の場】

 薬剤師は、病院や診療所、薬局、ドラッグストアでの調剤業務をはじめ、製薬会社や医薬品販売企業で研究開発や薬の製造にかかわります。また、行政機関から食品・化粧品メーカーまで多方面にわたって活躍が期待できます。  医薬分業の浸透に伴い、ここ10年ほどで院外処方箋の発行枚数が急増しています。現在も増加傾向にあり、薬剤師のニーズはまだまだ続きそうです。さらに健康への関心が高まるなか、活躍の場は広がることでしょう。


【資格の取り方】

 薬剤師になるには、大学の薬剤師養成課程(6年制)を卒業し、薬剤師国家試験に合格する必要があります。また、4年次修了前の「薬学共用試験」も関門です。  この試験では、5年次の参加型実務実習(薬局・病院で各11週間実施)に対応できるか、知識・技能・態度を審査されます。



今回は薬剤師ついての紹介でした。次回は診療放射線技師などについてデータを交えて配信します。


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